【テンプレート付】免疫マップの書き方完全ガイド｜30分でできる自己変革ワーク

「変わりたいのに、変われない」
「新しいことを始めようとしても、なぜか三日坊主で終わってしまう」

そんな悩みを抱えているなら、あなたの意志が弱いからではありません。それは、あなたの中に変化を拒む強力な「免疫機能」が働いているからです。

この記事では、ハーバード大学のロバート・キーガン教授らが開発した自己変革のための強力なツール「免疫マップ（Immunity Map）」の書き方を、初心者の方にも分かりやすく解説します。

特別な知識は必要ありません。紙とペン、そして自分と向き合う30分の時間があれば、誰でも実践できます。記事の後半には、すぐに使えるテンプレートもご用意しました。

このワークを通じて、あなたの変化を阻んでいる「見えないブレーキ」の正体を突き止め、本当に望む自分への第一歩を踏み出しましょう。

免疫マップとは？なぜ「変われない」のかを可視化するツール

👉 このパートをまとめると！
免疫マップは、変化へのアクセル（改善目標）とブレーキ（裏の目標）を同時に可視化し、膠着状態を解くための「地図」です。

免疫マップは、単なる目標設定シートではありません。あなたが掲げた「改善目標（変わりたい自分）」に対して、無意識のうちにブレーキをかけている「阻害行動」と、その奥にある「裏の目標（守りたい自分）」を明らかにするためのフレームワークです。

私たちは通常、アクセル（変わりたい）ばかりに注目しがちです。しかし、同時にブレーキ（変わりたくない）を強く踏んでいる状態では、車は前に進まず、エンジンが焼き付いてしまいます。これが「変われない苦しみ」の正体です。

免疫マップを作成することで、この「アクセルとブレーキを同時に踏んでいる状態」を客観的に眺め、ブレーキを緩めるための具体的な手立てを見つけることができます。

【実践】免疫マップの書き方 4つのステップ

👉 このパートをまとめると！
4つの質問に答えるだけで、あなたの心の奥底にある「変われないメカニズム」が浮かび上がってきます。

それでは、実際に免疫マップを書いてみましょう。以下の4つのカラム（列）を順番に埋めていきます。

Step 1: 改善目標（Commitment）を設定する

まずは、あなたが心から達成したいと思っているけれど、まだ達成できていない目標を書きます。
ポイントは、「〜すべき」ではなく「〜したい」という能動的な言葉で書くことです。

• 例：部下にもっと仕事を任せたい
• 例：毎日1時間、英語の勉強をしたい

Step 2: 阻害行動（Doing / Not Doing）を洗い出す

次に、その目標の達成を妨げている「具体的な行動」や「しないこと」を書き出します。
自分を責める必要はありません。事実として「ついやってしまっていること」をリストアップしましょう。

• 例：自分でやった方が早いと思って、仕事を巻き取ってしまう
• 例：勉強時間になると、ついスマホでSNSを見てしまう

Step 3: 裏の目標（Hidden Competing Commitment）を探る

ここが最重要ステップです。Step 2で挙げた阻害行動を「もしやらなかったら、どんな恐ろしいことが起こるか？」と自問自答してください。
そこに出てくる不安や恐れこそが、あなたが無意識に守ろうとしている「裏の目標」です。

• 例：（仕事を任せたら）失敗して、自分の評価が下がるのが怖い
  → 裏の目標：自分の有能さを証明し続けたい、評価を下げたくない
• 例：（勉強したら）成果が出なかった時に、無能だと思われるのが怖い
  → 裏の目標：傷つきたくない、可能性を残しておきたい

Step 4: 強力な固定観念（Big Assumption）を特定する

最後に、Step 3の「裏の目標」を成立させている「前提となる思い込み」を言語化します。
「〜すれば、必ず〜になる」という形式で書いてみましょう。

• 例：部下に任せて失敗したら、私はリーダー失格の烙印を押されるに違いない
• 例：本気で努力してダメだったら、私の人生には価値がない

書き方のコツとよくある失敗例

👉 このパートをまとめると！
「きれいな答え」を書こうとせず、ドロドロした本音を吐き出すことが成功の鍵です。

免疫マップの効果を最大化するためには、いくつかのコツがあります。

• 本音で書く: 誰に見せるわけでもありません。恥ずかしい、情けないと思うような感情こそが、真実のブレーキです。
• 「なぜ？」を繰り返す: 表面的な理由で止めず、「なぜそう思うのか？」「それが起こると何が困るのか？」と深掘りしてください。
• 一度で完成させようとしない: 数日かけて書き足していくことで、より深い気づきが得られることがあります。

よくある失敗例:
「裏の目標」の欄に、「時間がないから」「疲れているから」といった物理的な理由を書いてしまうことです。これらは「言い訳」であって、心理的な「裏の目標」ではありません。「時間があったとしても、なぜやらないのか？」と考えてみてください。

まとめ：マップが完成したら、小さな実験を始めよう

免疫マップが完成したら、あなたは自分の「変われないメカニズム」の全貌を手にしています。
これだけで、漠然とした自己嫌悪からは解放されるはずです。

次のステップは、Step 4で特定した「固定観念」が本当に正しいかどうかを検証する「小さな実験」を行うことです。
例えば、「部下に任せたら本当に評価が下がるのか？」を確かめるために、リスクの小さい業務を一つだけ任せてみる、といった具合です。

この「実験」を繰り返すことで、少しずつ固定観念が書き換わり、ブレーキが外れていきます。
さあ、まずは30分、自分と向き合う時間を取って、免疫マップを書いてみましょう。