【テンプレート付】1on1ミーティングの進め方完全ガイド｜部下の本音を引き出すアジェンダ設定術

「1on1を始めたけれど、何を話せばいいか分からない」
「毎回雑談で終わってしまい、部下の成長につながっている実感がない」

多くのマネージャーが抱えるこの悩み。原因は、「対話の型（アジェンダ）」が決まっていないことにあります。

1on1は単なるおしゃべりの場ではありません。部下の経験学習を促進し、自律的な成長を支援するための戦略的な時間です。そのためには、効果的な「進め方」と「問いかけ」の準備が不可欠です。

この記事では、年間200人以上のキャリア支援を行ってきた組織開発コンサルタントの私が、明日から使える「1on1の具体的な進め方」と「効果的なアジェンダ例」を解説します。

記事の後半では、そのまま使える「1on1実践シート（テンプレート）」も紹介します。これを活用すれば、沈黙を恐れることなく、部下の本音と気づきを自然に引き出せるようになるはずです。

1on1ミーティングの基本構造：4つのステップ

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1on1は「アイスブレイク→テーマ設定→対話・深掘り→アクション設定」の4ステップで進めるのが基本です。

効果的な1on1には、一定のリズムと構造があります。漫然と話し始めるのではなく、以下の4つのステップを意識して進行しましょう。所要時間は30分を想定しています。

表のタイトル: 1on1ミーティングの標準的な進行ステップ（30分）

特に重要なのは「2. テーマ設定」です。ここで「今日は何について話そうか？」と部下に問いかけ、彼らが話したいことを選ばせることが、1on1を「上司のための時間」から「部下のための時間」に変えるスイッチになります。

【テンプレート】部下の状況別・効果的なアジェンダ例

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部下の状態（業務の進捗、モチベーション、キャリア志向）に合わせて、適切な「問い（アジェンダ）」を用意しておくことが成功の鍵です。

「話すことがない」という沈黙を防ぐために、部下の状況に合わせた「鉄板の質問リスト」を持っておきましょう。以下のアジェンダ例を参考に、状況に応じて使い分けてください。

パターンA：業務の進捗や課題解決に集中したい時

• 今週の業務で、一番うまくいったことは何？（成功体験の承認）
• 逆に、少し気がかりなことや、壁に感じていることはある？（課題の早期発見）
• その課題に対して、私（上司）にサポートできることはある？（支援の申し出）

パターンB：モチベーションやメンタルケアが必要な時

• 最近、体調や気分の波はどう？（心身のケア）
• 仕事をしていて「楽しい」「やりがいがある」と感じた瞬間はあった？（価値観の共有）
• 逆に、ストレスを感じたり、モヤモヤしたりしたことは？（不満のガス抜き）

パターンC：中長期的なキャリア支援をしたい時

• 今の仕事を通じて、どんなスキルを伸ばしたいと思っている？（成長意欲の確認）
• 1年後、どんな状態になっていたら「最高だ」と思える？（ビジョンの共有）
• そのために、次の四半期でどんなチャレンジをしてみたい？（目標設定）

1on1を成功させるための3つの心得

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「傾聴に徹する」「否定しない」「秘密を守る」。この3つを徹底することで、心理的安全性が生まれ、本音の対話が可能になります。

どんなに良いアジェンダを用意しても、上司の態度次第で1on1は台無しになります。以下の3つの心得を常に意識してください。

1. 傾聴に徹する（話す割合は 上司2：部下8）
   上司が気持ちよく喋ってはいけません。沈黙があっても焦らず待ち、部下が言葉を探している時間を尊重しましょう。
2. 否定・評価をしない
   「それは違う」「もっとこうすべきだ」という評価は一旦脇に置きます。まずは「そう考えているんだね」と受け止める（受容する）ことから始めましょう。
3. 秘密を守る（守秘義務）
   1on1で話した内容は、本人の許可なく他言しないことを約束します。この安心感（心理的安全性）がなければ、部下は決して本音を話しません。

まとめ：型を守り、型を破る。まずは「やってみる」ことから

1on1ミーティングに「唯一の正解」はありません。しかし、基本となる「型（進め方とアジェンダ）」を持つことで、迷いや不安は大きく減らすことができます。

まずは今回紹介した4つのステップとアジェンダ例を参考に、次回の1on1を実践してみてください。部下の反応が変わるのを実感できるはずです。

そして、回数を重ねる中で、あなたと部下だけのオリジナルのスタイル（型破り）を見つけていってください。対話の積み重ねこそが、最強のチームを作る土台となります。